home > 本棚 > 『超巨大[宇宙文明]の真相』


書名: 『超巨大[宇宙文明]の真相
    進化最高<カテゴリー9>の惑星から持ち帰ったかつてなき精緻な<外宇宙情報>


書誌:
原題  ABDUCTION TO THE 9th PLANET (c)1993
著者  ミシェル・デマルケ
訳者  ケイ・ミズモリ
発行  徳間書店(1997年8月31日初版発行)
私評:
 これは宇宙情報の中ではかなり珍しい部類に入る肉体を伴った外宇宙へのアブダクションの物語だ。
 著者のフランス系オーストラリア人ミシェル・デマルケは、ある使命を持って地球人の中から選ばれ、肉体を持った人間が生存できる最高位の星であるという第九位の惑星ティアウーバ星に連れて行かれる。宇宙船の中で彼の肉体が受ける二段階の除菌過程のリアルさなどは、もしこれをSF作家が創作したものとすれば大変な想像力と言わなければならないだろう。
 もちろん、デマルケ氏自身は「序文」の中で次のように断っている。
 「この驚くべき話は、一部の読者にはSF、すなわち完全な創作と思えるかもしれない。しかし私は、そうした創作に必要な想像力など持ち合わせていない。これはSFではない」と。
 解説者の宇宙考古学者高坂和導氏は「本書の内容を『竹内文書』の宇宙情報と比較すれば、誰でも本書がノンフィクションであるという様々な「証拠」を手に入れることができるだろう」と書かれている。
 私自身にとっては、様々な宇宙情報の中で、現地球文明における諸悪の根源は「第一に“お金”」であると明言する本書に出逢ったことは、まさに長年の疑念が一挙に氷解する思いだった。それに関連する箇所を引用してみよう。
引用:
 「ミシェル、核兵器は地球人の心の恐怖を抱かせ、それはあなた方の頭上に振りかざされた<ダモクレスの剣>であることを認めますが、それは本当の危険ではありません。
 地球における本当の危険は、最も重要なものから言うと、第一に“お金”、第二に“政治家”、第三に“ジャーナリストと麻薬”、第四に“宗教”です。これらの危険は核兵器とは無関係です。
 もし地球の人々が核による大惨事で一掃されれば、死後、彼らのアストラル体は行くべき所へ行き、死と再生という自然の秩序が維持されます。ほとんどの人が信じているように、危険は肉体の死ではありません。それは現世の人々の生き方にあるのです。
 あなた方の惑星においては、お金が諸悪の根源です。お金のない人生を想像してごらんなさい。そうでしょ?」
 私ががんばって想像しようとした心を読んで、タオが言った。
 「そのような人生を想像することさえできないでしょう。あなた方はそのシステムに埋もれてしまっているのです。
 しかしわずか二時間前、ムーの人々はまったくお金を使うことなしに必要なものを得ることができたのを、あなたは目にしたのです。彼らはとても幸福で高度に進歩していたのに気づいたはずです。
 ムーの文明は精神的にも物質的にもコミュニティーを中心に営まれ、それで繁栄しました。無論、地球のある国々に存在する<コミュニズム(共産主義)>と<コミュニティー>を混同してはいけません。地球で実践されたコミュニズムは、民主主義とは程遠く、むしろ本質的に全体主義体制の一部です。それは人間の品位を落とすものです」(p188-189)
好み:★★★★
(注:独断と偏見によるお薦め度、または記憶による感動度。一押し、二押し、三押し、特薦。)