「ミシェル、核兵器は地球人の心の恐怖を抱かせ、それはあなた方の頭上に振りかざされた<ダモクレスの剣>であることを認めますが、それは本当の危険ではありません。
地球における本当の危険は、最も重要なものから言うと、第一に“お金”、第二に“政治家”、第三に“ジャーナリストと麻薬”、第四に“宗教”です。これらの危険は核兵器とは無関係です。
もし地球の人々が核による大惨事で一掃されれば、死後、彼らのアストラル体は行くべき所へ行き、死と再生という自然の秩序が維持されます。ほとんどの人が信じているように、危険は肉体の死ではありません。それは現世の人々の生き方にあるのです。
あなた方の惑星においては、お金が諸悪の根源です。お金のない人生を想像してごらんなさい。そうでしょ?」
私ががんばって想像しようとした心を読んで、タオが言った。
「そのような人生を想像することさえできないでしょう。あなた方はそのシステムに埋もれてしまっているのです。
しかしわずか二時間前、ムーの人々はまったくお金を使うことなしに必要なものを得ることができたのを、あなたは目にしたのです。彼らはとても幸福で高度に進歩していたのに気づいたはずです。
ムーの文明は精神的にも物質的にもコミュニティーを中心に営まれ、それで繁栄しました。無論、地球のある国々に存在する<コミュニズム(共産主義)>と<コミュニティー>を混同してはいけません。地球で実践されたコミュニズムは、民主主義とは程遠く、むしろ本質的に全体主義体制の一部です。それは人間の品位を落とすものです」(p188-189)
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