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書名: 『プレアデス 銀河の夜明け』

書誌:
原題  PLEADIAN AGENDA (c)1995
発信  プレアデスの中心太陽アルシオネの女神サティア
著者  バーバラ・ハンド・クロウ
訳者  高橋裕子
発行  コスモテン・パブリケーション(1997年9月25日初版発行)
発売  太陽出版
私評:
 地球次元の「一九九八年に起きる現実の分裂について」伝えた本だ。
 この本の存在は出版当初から知っていたし、何度か本屋の棚から手に取りながらこれまで手が出せないでいたのだった。
 そして今回、ついに勇を鼓して買ってしまったというわけだ。
 「わたしはサティア、プレアデス星団の中心星アルシオネの図書館の守り手です。あなたがたの惑星の中枢知性を解読し、二〇一二年の冬至、すなわち一二月二一日から始まる宇宙のパーティの準備をととのえるお手伝いをしにきました」
 やっぱり、このように書き出される物語が好きだ……。
 まずは、ここまでの内容を受信してくださったバーバラ・ハンド・クロウさんのご苦労に感謝したい。
 しかし、「最初にひとつ保証してあげましょう。けっして退屈はさせません」とサティア自身が保証して用意してくれたご馳走ではあるが、そこはそれ、次元の違う方たちのマインドの回転周波数はまた別物だし、その高級な調理技術と仕込まれた材料そのもののあまりの豊富さのために、一旦読み終わった後も、いったいこれがどういう本だったのかと輪郭を見定めようとしても、ちょっと手に余るところがある。(「……どなたか原始時代に戻りたい人はいますか? いませんね。「網」に押さえつけられて生きるのも、いいかげん飽きたことでしょう。前回は寒い洞穴で獣の骨を生のまましゃぶるのにうんざりし、今回はマグドナルドとバーガーキングにうんざりしています。……」などと言われると、何もかも見透かされた気はするのだが。)
 というわけで、とうてい読み終えたなどと言える気分ではないが、ただ、読んでいて改めて感じたこの本の独自性は、現在の地上の既得権益者の中核である「世界統制チーム」を動かしているという惑星ニビルの住人アヌンナキの内面をも、人間の心理学と同次元のものとして提示するその扱い方だった。
 だから、ある意味では“次元”というのは確実にありながらも、また別の意味では、すべては“人間的事象”なのかもしれない。
 宇宙に偶然はないのだとしたら、森羅万象すべては宇宙内の何者かの心理学的問題に根拠を持っているのだろうか。仏陀の言う「縁起」とはそういう意味でもあるのだろうか。
 この書の語り手サティアは、今回のイベントに関わる宇宙芝居の配役たちを直接舞台に登場させ、じかに内面を吐露させるというシェークスピア劇仕立ての展開で、わたしたち地球人に、ことの成り行きを説明してくれる。
 シリウス人「アヌビス」、九次元の「エノク」、(地球の優秀な卒業生で現在は金星に住んでいるという)「博士トカゲ」、「月」、六次元の闇の存在「ルシファー」、(太陽系の異端児惑星ニビルの住人アヌンナキを代表して)偉大なるシュメールの神「アヌ」、(オリオンの存在をチャネルする)優れたチャネラー「イザヤ」、そういった方々のモノローグによって様々な方向からライトを当て、今回のイベントの輪郭を浮かび上がらせようとする。
 登場人物たちそれぞれの科白が遠くから響き合って、いつの間にか観劇者であるわたしたちの心の中に自分なりの物語が浮かび上がる、という具合にご馳走は用意されているらしい。
 いや、しかし、何しろ情報が多い。
 先生というのはどうしても生徒の理解力を買いかぶるところがあるのかもしれないから、生徒の方としては逆にそれに意気粗相しないで、全体を咀嚼するなど考えずに、取りあえず自分のお歯に合う内容だけでも“摘み食い”するのが正しい対処法なのかもしれない。
 結局は、あらゆる“判断枠”から解放される方向に行くにしても、当面、“大いなる希望”をもって“大いなる挑戦”に立ち向かえるぐらいの判断力を維持しておいた方がいいのかも。
 そういう観点から見れば、アルシオネの女神サティアは、われわれ地球人類を煽り煽っているということか。
 わたしにとっては、この本を読むことで「メルマガ発行」の決心を駄目押ししたという意味で、ひとつの記念になる本だ。(2003,12/28)
引用:
 核の均衡を後援している機関を見てごらんなさい。世界統制チームです。彼らは構成と密度を扱う次元、つまり二次元、四次元、六次元、八次元の形態を利用します。創造性とエネルギーをもたらす一次元から九次元までの奇数次元によってバランスをとらなければ、構造がすべてを殺すでしょう。地球上で世界統制チームが好き勝手に殺人を犯していく度合いは、あなたがたが自分の創造性を信頼できない度合いと正比例します。自分の力を信頼している地球の民には、世界統制チームも手が出せません。あなた方はいま、バランスをとる行為をおこなっています。それがみずからの創造性に力を与え、支配勢力を崩壊させるでしょう。人間は超新星のような創造性のルネッサンスを目前にしているのです。(p173)

 あなたがたに必要なのは、単純なパラダイムをマスターすることだけです。ある種の教訓や出来事はどうしても避けがたいのですが、地球似へ本当に自由があります。ですから、あなた方の自由を望まない知性としては、大きな出来事を上からおおいかぶせるしかありません。いつ、どのように出来事をかぶせられているかを感じとり、刺激されても嘘に反応しないようになってください。真実はハートで感じられます。マインドに曇りがなければハートは自由になり、おこなわれている操作の過程を観察することができるでしょう。無作為に、偶然に起きることなどひとつもありません――ひとつも、です。こんなふうに見てください。キリストの誕生のように本当に大きな出来事があると、人々はその真の意味を感じとります。それから出来事が大幅に歪曲され、文化的な強迫観念に仕立てあげられます。支配勢力は話の一部をたえずくりかえし、邪悪から自由になりたいという人々の願いを満足させます。キリストに関する嘘がひっきりなしに流され、人々は真の物語を渇望するあまり、腹をすかせたオウムのように嘘をのみこんでしまいます。偽りの物語がうんざりするほど反復されるうち、嘘をついた者さえ真実を思い出せなくなります。真実を求める渇望はたえず適当に慰められ、あなたがたは愚かなネズミのようになにかを求めて一カ所をぐるぐる走り続けるのです。(p207)
好み:★★★★
(注:独断と偏見によるお薦め度、または記憶による感動度。一押し、二押し、三押し、特薦。)