深く探ってみれば、人間の行動には二つの動機しかない。不安か、愛か。
じつは、感情の源もこの二つだけだ。魂の言語にはこの二つの言葉しかない。この二つは私が宇宙を創造し、あなた方が住む世界を創造したときに産み出された二つの極なのだ。
これらが「相対性」というシステムを可能にする二点、アルファでありオメガだ。この二点、ものごとに対するこの二つの思考がなければ、他の思考は存在しえない。……。
よく考えてみれば、これが真実だということが分かるだろう。これが、「支える思考」と私が呼ぶものだ。愛という考えか、不安という考え。そのどちらかが、すべての思考の陰にある。この二つは最初の思考、最初の力だ。人間の存在というエンジンを動かしている生のエネルギーだ。
ひとが何度も何度も同じ体験をくり返す理由もここにある。人が愛し、次ぎに破壊し、そしてまた愛するのはそのためだ。常に、一方の感情から他方の感情へと揺れ動くからだ。愛は不安を支え、その不安は愛を支え、その愛がまた不安を支える……。
……原因は最初の誤りにある。神の真実に対する誤り、神を信頼しないという誤りだ。だから、神の愛を頼れない。神が条件つきであなた方を受け入れると思う。究極の結果が不確かだと思う。神の愛が常に存在すると信じられなくて、いったい誰の愛を信頼できるのか。あなた方が正しく行動しなかったら、神は見捨て、手を引いてしまうとすれば、神ならぬ身の人間を頼れるはずがない。
……だから、あなた方は最高の愛を誓った瞬間に、最大の不安にぶつかるのだ。(P31-32)
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