書名: 『神との対話――宇宙を見つける自分を見つける―― cover

書誌:
原題  Conversations with God (c)1995
発信  神
著者  ニール・ドナルド・ウォルシュ
訳者  吉田利子
発行  株式会社サンマーク(1997年9月30日初版発行)
私評:
 この本に初めて出逢ったときの感じは、ついに“真打ち登場”といった印象に似ていたかもしれない。読み終わっても半ば信じられず、しばらく感動の余韻に浸ったのを憶えている。
 まったくありえない話を読んだという印象が深かった。
 しかもなお、それはどう考えても本当でなければならない話だった。
 この本の中で「神」は――バカな話だが――まるで「神」のように語った。
 「神」以外にこんな話し方ができる者がいるとはとても思えなかった。
 それほどにこの「神」の語ることは、これまで信じてきた“神”の言葉と違った。
 <神があなたがたの人生すべての創造者であり、決定者であると信じているなら、それは誤解だ。>
 <人生の環境や条件を創造したり、しなかったりすることは、神の働きではない。神は神の姿をかたどり、神に似せてあなたがたを創造した。残りは、神が与えた力によってあなたがたが創造したのだ。>
 <その意味では、あなたがたの意志は、あなたがたに対する神の意志でもある。>
 <人生とは、概念として知っていることを体験的に知る機会だ。何も学ぶ必要はない。すでに知っていることを思い出し、それにもとづいて行動すればいい。>
引用:
 深く探ってみれば、人間の行動には二つの動機しかない。不安か、愛か
 じつは、感情の源もこの二つだけだ。魂の言語にはこの二つの言葉しかない。この二つは私が宇宙を創造し、あなた方が住む世界を創造したときに産み出された二つの極なのだ。
 これらが「相対性」というシステムを可能にする二点、アルファでありオメガだ。この二点、ものごとに対するこの二つの思考がなければ、他の思考は存在しえない。……。
 よく考えてみれば、これが真実だということが分かるだろう。これが、「支える思考」と私が呼ぶものだ。愛という考えか、不安という考え。そのどちらかが、すべての思考の陰にある。この二つは最初の思考、最初の力だ。人間の存在というエンジンを動かしている生のエネルギーだ。
 ひとが何度も何度も同じ体験をくり返す理由もここにある。人が愛し、次ぎに破壊し、そしてまた愛するのはそのためだ。常に、一方の感情から他方の感情へと揺れ動くからだ。愛は不安を支え、その不安は愛を支え、その愛がまた不安を支える……。
 ……原因は最初の誤りにある。神の真実に対する誤り、神を信頼しないという誤りだ。だから、神の愛を頼れない。神が条件つきであなた方を受け入れると思う。究極の結果が不確かだと思う。神の愛が常に存在すると信じられなくて、いったい誰の愛を信頼できるのか。あなた方が正しく行動しなかったら、神は見捨て、手を引いてしまうとすれば、神ならぬ身の人間を頼れるはずがない。
 ……だから、あなた方は最高の愛を誓った瞬間に、最大の不安にぶつかるのだ。(P31-32)
好み:★★★★
(注:独断と偏見によるお薦め度、または記憶による感動度。一押し、二押し、三押し、特薦。)
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