書名: 『天使の鼓動』 cover

書誌:
原題  EMMANUEL'S BOOK V What Is Angel Doing Here?
発信  エマヌエル
著者  パット・ロドガスト、ジュディス・スタントン
訳者  大内 博
発行  株式会社コスモ・テン(1996年7月10日初版発行)
私評:
 <人間であることを楽しんでください
 しかし、人間であると信じてはいけません


 思いきって信じてみてください
 あなたは天使であると>

 こんなふうに、この本は始まる。
 さて、人間がそう信じても何も“損”することはないようなものだが、なかなか信じようとしなかったのが人間というものらしい。しかし、これほどたくさんの情報が降り続けると、段々それを信じ始める人たちが出てくるのも事実だ。
 ヒットラーが言うように、声高に叫び続ければ嘘ですら真実になるのだから、密やかな声に耳を傾け続ければ、元々真実であることが真実と認知されるのにどれほどの手間暇がかかるというのだろう。
 考えてみれば、この世には、「恐怖」という幻想を主張し続ける声高な理性の声と、「絶対の安心」を囁きかける密かな内面の声しかなかったのかもしれない。
引用:
 あなたは何年間
 どれほどの数の人生において
 知的な探求をしてきたでしょうか
 いまという瞬間に存在するための
 ひとつの方式を提案したら
 あなたはそれにしたがうつもりがあるでしょうか
 これはあなたの幸福のために
 ほんとうに大切なことです
 しかし、約束しますが
 あなたの理性はその方法を聞いたすぐあとに
 “たしかにいい考えではあるようだけど
 もっと考える必要があるな”
 と言うにちがいありません

 あなたの人生という事件を
 理性の法廷に訴えることはしないほうが賢明です
 もしそうすれば、六百年は
 法廷闘争を続けることになるでしょう


 何も頭で理解しようとせずに
 いまという瞬間に憩うという練習をしてください   (p77-78)
好み:★★★
(注:独断と偏見によるお薦め度、または記憶による感動度・ショック度。一押し、二押し、三押し、特薦。)

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