皆さん社会でも「異なる結果を生じないものは同一物である」ということがいろいろな言い方で表現されています。これが皆さんの文明で「相対性」と呼ばれる考え方のすべての基礎を物語っています。別の言い方をすれば、「もし存在のない状態を体験できたとしても、その体験を知る由がない」とも言えます。「知覚できる体験」という概念自体に正当性がなくなります。ですから哲学的には、体験できるもの、想像できるもの、そして考えることができるものすべては存在自身の一部であり、実際に存在すると言えます。思考も存在します。様々な概念も存在します。存在も存在します。皆さんの文明において、いわゆる本当の現実だと信じられているものすべては、根本の「存在」から派生したひとつの哲学的な見方にしか過ぎません。この根本の「存在」から「知恵」が、「知恵」から「観念」が、「観念」から「感情」が、そして「感情」から「知性」が生まれるのです。(p21)
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