書名: 『ニュー・メタフィジックス――世界を創る意識の力学―― cover

書誌:
原題  New Meta-physics (C)1987
発信  バシャールと宇宙連合
受信  ダリル・アンカ
翻訳  関野直行
発行  株式会社ヴォイス(1991年9月29日初版発行)
私評:
 この本を本屋で手にしたときは胸のときめきを感じた。
 この本を読めばそれまでのあらゆる疑問が氷解するかと思った。
 そして、読み始めたのだが……、何と、簡単には通読できなかった!!(私が一番興味を持っている分野だというのに。)
 つまり、少なくとも、簡単には通読できない、ということだけは分かったわけだ。
 それでも一度なんとか読み通して、何となく少しは分かったような気もして、少し冷ました。
 しかし、時間をおいて、自分がこの本でどんなメッセージを受け取ったかと思い返してみると、何と、どんなメッセージも受け取ってはいないようなのだった。
 この本から受け取った、とはっきり思い浮かぶメッセージがひとつもなかった。
 今また、拾い読みに読み返してみて、なるほどと思った。
 この本の中では、いわば「存在」の構造の概念的骨格がきわめて“客観的に”語られ、私たちの世界の中で(あるいは、少なくとも私の中で)“重要”だと感じられることはすべて、その骨格の中で“相対化”され位置づけされて、概念はマインドやハートのある種の意味としていわば“操作”の対象となるようなのだった。
 まさに、ここでは「メタ構造」が語られていたわけだ。
 私は今、この本の内容をいくらかでも“分かった”と言うつもりはない。
 ただ、多分、ときどきこの本のことが気になって、開いてみたくなることがあるような気がする。
 少なくとも、分かった気がするような所もあるわけだから……。
引用:
 皆さん社会でも「異なる結果を生じないものは同一物である」ということがいろいろな言い方で表現されています。これが皆さんの文明で「相対性」と呼ばれる考え方のすべての基礎を物語っています。別の言い方をすれば、「もし存在のない状態を体験できたとしても、その体験を知る由がない」とも言えます。「知覚できる体験」という概念自体に正当性がなくなります。ですから哲学的には、体験できるもの、想像できるもの、そして考えることができるものすべては存在自身の一部であり、実際に存在すると言えます。思考も存在します。様々な概念も存在します。存在も存在します。皆さんの文明において、いわゆる本当の現実だと信じられているものすべては、根本の「存在」から派生したひとつの哲学的な見方にしか過ぎません。この根本の「存在」から「知恵」が、「知恵」から「観念」が、「観念」から「感情」が、そして「感情」から「知性」が生まれるのです。(p21)
好み:★★★
(注:独断と偏見によるお薦め度、または記憶による感動度・ショック度。一押し、二押し、三押し、特薦。)

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