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書名: 『「新しい時間」の発見
    甦るマヤの預言――人類はなぜ“偽りの時間”の中にいるのか――


書誌:
原題  Discovering the New Time (c)1997
著者  ホゼ・アグエイアス、リディーン・アグエイアス
編訳  高橋 徹
発行  (株)風雲舎(1997年6月20日初版発行)
私評:
 著者は「13の月の暦に替える平和の運動」を展開しているアグイエアス夫妻。
 夫妻が1989年に発見した「時間の法則」とそれに基づく「新しい時間の考え方や知識」に関する講演を編訳したという本書は、「新しい時間の使者」としての夫妻の考え方の非常に分かりやすくかつ説得力のある入門書になっている。
 あらゆる生物が生物圏の時間リズム13:20を生きているのに対して、地上の人間だけが空間を計る12:60の機械的リズムに乗っ取られ、地球生態系の中で爆発的暴走を始めているという夫妻の議論は、初めて読む者にそれこそ「目から鱗が落ちる」ような衝撃を与え、なぜとは分からぬながらも、ある種の“正しさ”を本能的に直覚させずにはいない。
 ここにも、この時期の地上に出揃うべく用意されていた他に代わるものがないユニークな情報が存在していた。
引用:
 人間のペースを決めているのが機械であるということを理解しなければなりません。機械は私たちのスピードよりもどんどん速くなり、私たち人類は機械のスピードに何とか追いつこうと努力します。私たちは、機械に管理されているのです。
 旧約聖書には、「マモン」という強欲な神が登場しますが、今やマモンとは機械時計の心臓を持つ機械の集合体です。マモンの血液は金銭です。このマモンの身体(機械と金銭)が地球を支配しているのです。そして、人類はこの化け物のような機械の神に完全に支配されているだけでなく、その神の生殖器官となっているのです。なぜなら人類は、機械と金銭というマモンの身体を生み出す役割を担わされているからです。人類が狂ったように機械を生み出している姿はこの神、地球全体を覆う機械と金銭から見ると、一種の生殖活動なわけです。
 そして人間は、機械より速く動くことはできませんから、機械が常に勝利をおさめることになります。先の図で、機械の増大や加速度が人類の人口増大にどれほど速いスピードで影響を投げかけたかが見て取れます。これは、とても速い増え方です。地球規模の人口の急激な増大と機械の増殖という視点から見ると、私たちは今や一種の「生物学的な人口と機械の爆発状態」を体験しているのです。(p120)
好み:★★★★
(注:独断と偏見によるお薦め度、または記憶による感動度/ショック度。一押し、二押し、三押し、特薦。)
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