人間のペースを決めているのが機械であるということを理解しなければなりません。機械は私たちのスピードよりもどんどん速くなり、私たち人類は機械のスピードに何とか追いつこうと努力します。私たちは、機械に管理されているのです。
旧約聖書には、「マモン」という強欲な神が登場しますが、今やマモンとは機械時計の心臓を持つ機械の集合体です。マモンの血液は金銭です。このマモンの身体(機械と金銭)が地球を支配しているのです。そして、人類はこの化け物のような機械の神に完全に支配されているだけでなく、その神の生殖器官となっているのです。なぜなら人類は、機械と金銭というマモンの身体を生み出す役割を担わされているからです。人類が狂ったように機械を生み出している姿はこの神、地球全体を覆う機械と金銭から見ると、一種の生殖活動なわけです。
そして人間は、機械より速く動くことはできませんから、機械が常に勝利をおさめることになります。先の図で、機械の増大や加速度が人類の人口増大にどれほど速いスピードで影響を投げかけたかが見て取れます。これは、とても速い増え方です。地球規模の人口の急激な増大と機械の増殖という視点から見ると、私たちは今や一種の「生物学的な人口と機械の爆発状態」を体験しているのです。(p120)
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