地球人の意識は、顕在意識、潜在意識、無意識の三層に別れており、宇宙人からすると、一個の統合された人格を持つ存在としてではなく、分裂的な人格を併せ持つ存在として映ります。……。つまり地球人と遭遇する宇宙人は、一人の人間の中に同居する、三人の異なる意識体と対話することになるのです。
あるゼータ・レチクル星人が、マリーという名の地球人女性と接触することになったとしましょう。いざマリーに接触してみると、このゼータ・レチクル星人は、一人だと思っていた彼女からいくつかの矛盾するメッセージを受け取ります。ゼータ・レチクル星人が近づくと、マリーの自我(顕在意識)は、強い拒絶反応を示して、「止めて、近寄らないで!」と大声でわめき始めます。
一方、宇宙人との遭遇にマリーの潜在意識はまったく違う反応を示します。この意識には彼女が子供時代から受け入れてきたさまざまなプログラム(条件付け)が詰まっています。……。子供の頃、虐待されて育ったマリーは意識のこのレベルにおいて、「私を虐待して!」というメッセージをゼータ・レチクル星人に向けて発してきました。彼女の潜在意識には「虐待と愛は同じだ」という観念が潜んでいたのです。……。
さて、マリーの無意識はどのようなメッセージを発するのでしょうか。彼女の内なる叡知の声を代弁する無意識は、「魂の成長を促すこの交流に同意します」というメッセージを発してゼータ・レチクル星人との交流を全面的に受け入れます。
人間の意識の各層が発する相反するメッセージに接したゼータ・レチクル星人は、どう対処するのでしょうか。ゼータ・レチクル星人が置かれた状況は、複数のラジオ番組を同時に聞くようなものです。こんなとき、人の注意は一番大きな音量で放送される番組に向けられるでしょう。そして、小さな音量で放送される番組は、単なるバックグラウンド・ノイズになります。同じように、ゼータ・レチクル星人も一番パワーのあるメッセージに耳を傾けることになります。(p168-170)
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