書名: 『[宇宙人]内なる訪問者 ―未来人類が銀河と意識をともにする日― cover(今在庫切れかな……。)

書誌:
原題  Visitors from Within (c)1992
発信  プレアデス人サーシャと集合意識体ジャーメイン
著者  リサ・ロイヤル、キース・プリースト
訳者  星名一美
発行  徳間書店(1996年8月31日初版発行)
私評:
 ゼータ・レチクル星人という存在の概要が日本語の世界に紹介されたのは本書が初めてかもしれない。「グレイ」などと呼ばれる“邪悪な”宇宙人による地球人の「誘拐」として一括して語られていたテーマが、ここで初めてまったく別の姿を現した。
 元々地球人と非常に類似していたゼータ・レチクル星人が、苦しみの主たる原因であった「感情」の超克を意図し、自分たちの遺伝子から徐々に「感情」を排除したこと、そしてついにはまったく「感情」のない固有の種族を形成するに至ったこと、そして今度は逆に、その「感情」の欠如ゆえに生命的な危機に陥っていると。それはまことに不思議な、それでいていかにも納得できるSF的なストーリーだった。
 そして“生への意志”を再獲得するために、今彼らは地球人の「感情」の遺伝子を求めて接触してきているという。
 現在まだ自分の「感情」に振り回されて苦悩し続けている我々地球人と、「感情」の回復を目指すゼータ・レチクル星人とのある種の混血が今始まろうとしている。その現時点に、両種の混血種族の進化した姿である(あの有名なバシャールの)エササニ星人が未来から介入してきているというのだ。
 林望先生の向こうを張って、なんとも「宇宙は愉快だ」と言いたくなろうというものではないか。
引用:
 現在、地球上で起きているゼータ・レチクル星人を初めとする宇宙人との遭遇には、地球人の特色が現れています。それは、地球人が経てきた進化の結果を反映しています。人類が今の段階でゼーター・レチクル星人と遭遇していることは、人類が大きな転機にさしかかっていることの現れなのです。それは、地球人が種族としての飛躍的な進化を遂げつつあることの明確なメッセージです。
 飛躍的な進化が起こるとき、人は通常の現実の埒外にある事柄を引き寄せます。この数千年間、宇宙人との交流に対する地球人の態度は常に変動的でした。これまで、人類は宇宙人の存在を否定してきただけでなく、彼らとの遭遇を悪魔の存在を裏付ける証拠と見なしてきました。しかし現在起きている遭遇は、地球人の進化が加速されていることの証です。それは人類が、一つの生命体から別の生命体へと変貌を遂げつつあることを教えています。
 他の惑星文明で起きたコンタクトと比べると、地球人とゼータ・レチクル星人とのコンタクトの形態はバラエティに富んでいます。地球で起きている宇宙人との遭遇の種類には、宇宙船の出現、宇宙人による人間の誘拐、肉体レベルでの遭遇、夢のレベルでの遭遇、宇宙人との遭遇がもたらす超常現象などがあります。このように、地球では物質、非物質の両面において宇宙人との遭遇が起きてきました。(P237-238)
好み:★★★
(注:独断と偏見によるお薦め度、または記憶による感動度。一押し、二押し、三押し、特薦。)

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