――愛する和尚
……
どうすれば、このような競争心をあおることなく
子供たちが、その子自身の潜在的な可能性を
あますところなく開花させるように
子供の手助けをすることができるのでしょうか?
子供たちが、まったく競争心を持たずに
成長していく手助けをしようと考え始めたとたんに
あなたは間違った道に踏み出している
あなたが何をしようとしているにせよ
子供たちに特定のプログラムを与えることになるからだ
そのプログラムはあなたがあなたが与えられたものとは
違っているかもしれない
だがあなたは、やはり子供を条件付けしていることになる
たとえ、この上なく好ましい意図に基づいているとしても
木は、誰かが成長の仕方を教えなくても成長し続ける
動物も植物も、全存在も、何のプログラムも必要としない
根本的には
プログラムを植えつけるという考え方そのものが
隷属を生み出している
そして、人間は何千年もの間
さまざまななのもとに、隷属する人間を生み出してきた
ひとつの呼び方に飽き飽きすると、
すぐに別の呼び方を考えて、名前をつけかえた
その条件づけは、2、3はプログラムの修正がなされ
ところどころに変えられた箇所があっても
根本的なところは何も変わりはしなかった
あなたは「どうすれば?」と
方法論を尋ねている
私に言わせれば
親の役目とは、子供が成長するのを助けることではない
子供は、あなたがいなくても成長する
あなたが果たす役目とは
すでに成長しつつあるものを支えてやり
それに滋養を与えて、手を貸すことだ
指示を与えてもいけないし
理想像を与えてもいけない
子供たちに何が正しく、何が間違っているかを
教えてはならない
子供自身に、それを経験させるようにしなさい
子供たちに対して、あなたにできることはひとつしかない
それは、あなた自身の生を分かちあうことだ
子供たちに、自分もまた
親から条件づけを受けてきたことを話しなさい
特定の理想に従い、特定の制限の中で生きてきたこと
そして、こういった理想や制限のために
すっかり生を無駄にしてしまったことを話しなさい
そして、自分はお前たちの生を損ないたくない
完全に自由でいてほしいと、話しなさい
(p204-206)
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