VIGYAN BHAIRAV TANTRA 技法 94

自分が浸されていると感じる

タントラ秘法の書H
『和尚講話録:生の神秘』
から抜粋

-94-

感じてごらん――自分の実体や、骨や、肉や、血が、
宇宙的本質に浸されていることを。


 この技法、つまり自分自身が宇宙に浸されていると感じることは、じつにすばらしい。
 早朝、眠りが去り、目醒めを感じるとき、まず最初にこの浸されていることを想うのだ――今、神が目を開き、眠りから醒めようとしている……と。だから、世界でもっとも深い洞察を持った民族のひとつだった昔のインド人は、その日の最初の息を神の名によって始めた。もはやそれはただの形式となり、その本質は見失われたが、もともとは次のようだった。
 朝、目醒めたとき、まず、自分自身を想起するのではなく、神を想起する。一番最初にまず神を想起する。また最後、夜になって眠りに落ちるときも、神を想起する。彼を最初で最後とする。もし彼が、真に朝の最初で夜の最後であったならば、彼は一日中あなたとともにいる。日中もだ。
 眠りに落ちるときもまた、彼に浸される。するときっと驚くだろう。なぜなら眠りの質が違ってくるからだ。今晩眠りに落ちるときに試してごらん。あなたが眠りに落ちるのではなく、神が眠りに落ちる。寝床の支度をするとき、それを神のためにする。客がやってくるつもりで。そして寝床に横になっているとき、神をそこに横たえる――あなたではなく……。自分自身を客として遇する。そして眠りの中に落ちていくとき、絶えず神の存在を感じる――息のすべてを彼が浸し、血液の中に彼が脈打ち、心臓の中を彼が鼓動する……。今、彼は、一日の仕事の後で疲れている。それで眠りを求めている。
 そして朝になれば、あなたの眠りはきっと変わっていることだろう。その眠りの質は宇宙的だ。その出会いは、より深い源泉にまで達する。(p102-p103)

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