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書名:
『タントラ秘法の書』
書誌:
原題 VIGYAN BHAIRAV TANTRA (c)1976
発信 シバ神
講話 和尚(OSHO)
関連HP 国際版
http://www.osho.com/
(←行ったら日本語を選んでね。)
関連HP 日本版
http://www.osho-japan.com/
訳者 スワミ・アドヴァイト・パルバ(田中パルバ)
訳者HP
http://www.din.or.jp/~parva/
発行 市民出版社(1993年11月10日「第一巻」初版第1刷発行)
関連HP
http://www.shimin.com/
私評:
『タントラ秘法の書』……、などという本は存在しない。
なんて神秘めかしていうこともないか…… 、日本語の翻訳書は次の10分冊(
『@内なる宇宙の発見』
、
『A源泉への道』
、
『B第三の目』
、
『C沈黙の音』
、
『D愛の円環』
、
『E覚醒の深みへ』
、
『F光と闇の瞑想』
、
『G存在とひとつに』
、
『H生の神秘』
、
『I空の哲学』
)で出版されています。
これは『秘法の書』。ここは秘密の場所。こんなところまで覗いてくれたあなたにお礼の気持ちを込めて、この本に限りひとつのインデックスにしていきます。「引用」の中の
技法番号
がハンドになってクリックができるようだったら、それがどんな技法なのか、その技法についての和尚がどんなことを言っているのか、コメントの抜粋を読むことができます。(まだほとんどないけどね……。)
(市民出版社に損害を掛けることもないと思うし。なにしろこれを見ても、潜在購読者を失う可能性より、潜在購読者を掘り起こす可能性の方が大きいと思うから……)。
・1 ふたつの息の隙間を観察する
・2 ふたつの息の転回点を見守る
・3 ふたつの息のつなぎ目を見守る
・4 息が止まる瞬間に気づく
・5 第三の目に集中する
・6 普段の行動の中で隙間に集中する
・7 夢の中で覚醒するために技法
・8 献身とともに、ふたつの息の転回点を見守る
・9 (a)死んだように横たわる
・10 愛撫そのものになる
・11 感覚を閉じ、石のようになる
・12 自分自身を無重力にする
・13 ひとつの対象のトータルに集中する
・14 意識を脊柱に置く
・15 頭部の孔をすべて塞ぐ
・16 ハートの中の諸感覚を吸い込む
・17 選択せずに中庸を保つ
・18 愛を込めてなんらかの対象を見つめる
・19 臀部だけで座る
・20 動いている乗り物の中で瞑想する
・21 肉体の痛みに集中する
・22 同化せずに自分の過去を見る
・23 目の前の対処物を感じ、それになる
・24 気分を見守る
・25 ストップ!
・26 どんな欲求にも面と向かう
・27 疲れ果て、地に落ちる
・28 全身の力が失われていくと想像する
・29 自らを捧げる
・30 目を閉じ、その動きを止める
・31 対象を全体として見る
・32 あたかも初めて見るかのように対象を見る
・33 限りない空に見入る
・34 秘密の技法
・35 深井戸に見入る
・36 自分自身をゆっくり引き離す
・37 言葉と音を超える
・38 音のただ中で自分自身を感じる
・39 ある音を唱え、それになる
・40 消えゆく音を聴く
・41 弦楽器を聴く
・42 音を感覚への通路として使う
・43 舌の上にマインドを集中する
・44 繊細な耳を持つ人のための技法
・45 AH
(アー)
で終わる音を唱える
・46 耳をふさぎ、直腸を収縮させる
・47 自分の名前をマントラにする
・48 性交の中で放出を求めない
・49 セックスの中で揺れる
・50 相手なしに愛を交わす
・51 喜びが起こるとき、それとひとつになる
・52 意識的に食べ、飲む
・53 自己想起
・54 満足を感じる
・55 目覚めと眠りの隙間に気づく
・56 世界をまぼろしとみなす
・57欲求によって動揺しない
・58 世界をドラマとして見る
・59 二つの極の中間にとどまる
・60 受け容れ
・61 存在を波立つものとして体験する
・62 心
(マインド)
を瞑想への扉として使う
・63 感じている者に気づく
・64 強い感情の始めに、覚醒する
・65 裁かない
・66 自分の中の不変なものに気づく
・67 すべては変化にほかならない
・68 絶望する
・69 束縛と自由を超えていく
・70 脊柱を上昇する光線を視覚化する
・71 中心から中心へとジャンプする閃光を視覚化する
・72 とこしえの存在として感じる
・73 雲のない空のように晴れ渡る
・74 宇宙全体を頭の中で感じる
・75 自分を光りとして想起する
・76 闇の中に溶け入る
・77 内側の闇を運びだす
・78 純粋な注意力を深める
・79 火を注視する
・80 世界全体が燃えていると想像する
・81 すべてが自分の存在の中に集まる
・82 思考せずに感じる
・83 隙間に焦点を合わせる
・84 体から自分自身を掘り下げる
・85 何も考えない
・86 想像できないものを想像する
・87 「私はいる」と感じる
・88 知る者と知られるものを知る
・89 すべてを自分の存在の中に包含する
・90 目に軽やかに触れる
・91 自分のエーテル体を体験する
・92 無想の瞬間に気づく
・93 体を無限とみなす
・94 自分が浸されていると感じる
・95 乳房、あるいは男根の付け根に集中する
・96 無限の空間に見入る
・97 自分の至福体で果てなき空間を満たす
・98 ハートの中の平安を感じる
・99 あらゆる方向に広がる
・100 離れてとどまる
・101 自分が全能だと信じる
・102 内と外に精神を感じる
・103 欲求と闘わない
・104 知覚の限界
・105 存在がひとつであることを認識する
・106 各々の存在になる
・107 意識のみが存在すると知る
・108 自分自身の内なる導き手になる
・109 自分の体を空っぽなものと感じる
・110 活動の中で遊ぶ
・111 知ることと知らないことを超える
・112 内なる空間に入る
引用:
以下-1-から-12-まで
『
タントラ秘法の書
@内なる宇宙の発見』
デヴィは尋ねる
おおシヴァよ、あなたの実体はなんでしょう。
この驚異に満ちた世界はなんでしょう。
種子はなにからできているのでしょう。
宇宙の車輪の中心に在るのは誰でしょう。
様々な形に広がっている、形を超えたこの生はなんでしょう。
空間と時間、名前と表現を超えて、
私たちはどうやってその中に全面的に入ることができるでしょう。
どうか、私の疑いを一掃してください!
-1-
光り輝く者よ、この体験はふたつの息の間に起こる。
息が入った後、息が出る直前――そこに賜物がある。
-2-
息が下降から上昇に転じるとき、
そして再び息が上昇から下降に転じるとき、
この両方の展開を通じ、覚れ。
-3-
あるいは、入息と出息が融け合うその瞬間、
そのエネルギーなき中心、
エネルギーに満ちた中心に触れよ。
-4-
あるいは、息がすべて出終わり、
ひとりでに止まるとき、あるいは息がすべて入り終わり、
止まるとき、そのような全休止において、
人の小さな自己は消え去る。
これが難しいのは不純な者のみ。
-5-
眉間に注意を集中し、マインドを思考の前に置く。
息の精気をもって身体を満たす――頭頂まで。
そしてそこから、光として降り注がせる。
-6-
日常的生活の中で、ふたつの息の間に注意を保つ。
それを実行していけば、数日のうちに、生まれ変わる。
-7-
額の中央の不可触の息、
それが眠りの瞬間にハートへと達するとき、
眠りを支配し、そして死をも支配せよ。
-8-
最大限の献身とともに、息のふたつのつぎ目に中心を合わせ、
そして知る者を知る。
-9-
死んだように横たわる。
激しく怒り、そのままとどまる。
あるいはまつ毛を動かすことなく凝視する。
あるいはなにかを吸い、そして「吸うこと」そのものになる。
-10-
愛撫されるとき、愛しき姫よ、
その愛撫の中へ入って行け――とこしえの生として。
-11-
蠅の這うのを感じるとき、
諸感覚の扉を閉じる。そのとき――
-12-
ベッドあるいは椅子の上で、
自分自身を無重量にする――マインドを超えて。
以下-13-から-24-まで
『
タントラ秘法の書
A源泉への道』
-13-
あるいは、孔雀の尾の五色の円を、
自分の五感として無辺の空間に想像する。
それから、その美を内側で溶かす。
同様に、空間や壁面の点についても、その点が溶け去るまで……。
そのとき別なるものへ、あなたの願いは実現される。
-14-
自分の脊柱の中心にある、蓮の糸ほどに繊細な神経に、
自分の全注意を置く。
そのようにして変容を享
(う)
けよ。
-15-
両手で頭部の七つの穴を塞ぐ、
そのとき、両目の間の空間はすべてを包含する。
-16-
祝福された者よ、
諸感覚がハートに吸い込まれるとき、
蓮の中心に達せよ。
-17-
無頓着な心よ、中庸を保て。
……するまで。
-18-
愛を込めてなんらかの対象を見つめる。
ほかの対象へと移らない。
ここ、つまりこの対象の真ん中に――祝福が。
-19-
足や手の支えなく、ただ臀部で座る。
突然、中心が定まる。
-20-
動いている乗り物の中で、
リズミカルに動くことによって、体験が。
あるいは止まっている乗り物の中で、
目に見えない輪を描きながら自分自身を揺らし、
それを減速させていくことによって。
-21-
神酒に満たされているあなたの身体のどこかを針で刺す。
そしてゆっくりその刺すことの中に入り、
内的な純粋さに到達する。
-22-
あなたが過去の中に出来事を見ている、
そのところに注意を向ける。
そうすればあなたの姿でさえ、
現在のありようを失って、変容する。
-23-
あなたの前の対象物をひとつ感じる。
そのひとつを除き、ほかの対象物すべての不在を感じる。
それから、その対象物の感覚と不在の感覚を排除して、覚れ。
-24-
誰かに対する反感ないしは好感が生じるとき、
それを相手に向けず、中心にとどまる。
以下-25-から-36-まで
『
タントラ秘法の書
B第三の目』
-25-
なにかをしようという衝動が現れる。
まさにそのとき、止まる。
-26-
なんらかの欲求が現れるとき、それを考察する。
それから、突然、それを去る。
-27-
歩き回って疲れ果てる。
そしてそのとき、地に落ちる。
その落ちることの中で全面的になる。
-28-
力や知識が徐々に奪われていくと想像する。
その喪失の瞬間、超越する。
-29-
献身は、解き放つ。
-30-
目を閉じ、自己の内側の存在をつぶさに見る。
そうして自己の本性を見る。
-31-
鉢をながめる、だが部分部分や材質を見ることなく。
ほどなくして目覚めよ。
-32-
あたかも初めて見るかのように、
うるわしき人、
あるいはありふれた対象を見る。
-33-
雲の向こうの青い空にただ見入ることによって、静寂が。
-34-
究極の奥義が伝授されるとき、耳を傾ける。
目を静止させ、まばたくことなく。
するとたちまち絶対的に自由となる。
-35-
深井戸の縁でその深みにじっと見入る――不可思議が起こるまで。
-36-
ある対象を見つめ、それからゆっくりと視線をその対象から引き離す。
それからゆっくりと想念をその対象から引き離す。そのとき。
以下-37-から-47-まで
『
タントラ秘法の書
C沈黙の音』
-37-
デヴィよ、蜜に満ちた認識の焦点に、
サンスクリット文字を想像する――
最初に文字として、次いでもっと微妙な音として、
次いでもっと微妙な感覚として。
次いでそれを去り、自由になる。
-38-
音のただ中で音に浴する。
たとえば絶え間ない滝の音の中で。
あるいは耳に指を入れ、音の中の音を聴く。
-39-
ある音をゆっくり唱える――「オーム」と。
音が遍音状態になるとき、あなたもそうなる。
-40-
どんな文字でもいい。
その音の始めに、また、徐々に純化しながら、目覚める。
-41-
弦楽器を聴いているとき、
その複合的な中心音を聴く。
そうして遍在が。
-42-
聞こえるように音を唱える。
それから少しずつ音を小さくしていく――
その感覚が沈黙の調べの中へ深まってゆくのに合わせて。
-43-
口をわずかに開け、マインドを舌の真ん中に保つ。
あるいは、息をわずかに吸い込みながら、「フー」の音を感じる。
-44-
「オーム」の音に集中する――
いかなる「A」も「M」もなく。
-45-
「アー(AH)」で終わる言葉を静かに唱える。
そして「ハー(HH)」の中で、努力なく、無為自然が。
-46-
耳を押さえてふさぎ、
直腸を収縮させてふさぎ、
音の中に入る。
-47-
自分の名前の音に入る。
そして、その音を通じ、あらゆる音へ。
以下-48-から-63-まで
『
タントラ秘法の書
D愛の円環』
-48-
性交を開始するとき、初めの火に注意を向け、
それを継続しながら、終わりのおき火を避ける。
-49-
五感が木の葉のように揺すぶられる抱擁の中、
その揺れの中に入る。
-50-
ただ合体を想起することによって、抱擁なしで、変容が。
-51-
長い間離れていた友人との嬉しい再開、
その喜びに浸り込む。
-52-
食べているとき、あるいは飲んでいるとき、
その食べ物や飲み物の味になる。そして満たされる。
-53-
おお、蓮華の目をしたものよ、甘き柔肌よ。
歌っているとき、見ているとき、味わっているとき、
自分は在るということに気づき、とこしえに生きるものを見い出す。
-54-
何かの行為の中で、満足が感じられたとき、それを現実化する。
-55-
眠りに入るとき、眠りがまだ到来せず、
外側の目覚めが消え去るとき、
その一点において存在は開示される。
-56-
まぼろしは欺く。諸々の色は周囲を囲む。
分割可能なものでさえ、分割不能だ。
-57-
極度の欲求の中、動揺せずにとどまる。
-58-
このいわゆる宇宙は、見たところ、曲芸か芝居のようだ。
それをそのように見て、幸福になる。
-59-
おお愛しき者よ、注意を、喜びや痛みではなく、その中間に置く。
-60-
私の中の対象と欲求は、他人の中にも同じように存在する。
そのように受け容れれば、それは変容される。
-61-
水に波が現れ、火に炎が現れるように、
普遍は私たちを通じて波立つ。
-62-
あなたの心
(マインド)
がどこをさ迷っていようとも
――それが内側であろうと、外側であろうと――
まさにその場所で、このことが。
-63-
ある特定の感官を通じ生き生きと覚醒しているとき、
その覚醒の中にとどまる。
以下-64-から-72-まで
『
タントラ秘法の書
E覚醒の深みへ』
-64-
くしゃみの出始め、恐怖の中、悩みの中、
断崖の上、戦場での疾駆、極度の好奇心の中、
空腹の始め、空腹の終わりに――絶えず覚醒を保つ。
-65-
他の教えの純粋は、我々にとって不純だ。
真実においては、純粋でも不純でもない。
-66-
友人に、そして見知らぬ人に、同じならずして同じであれ。
名誉において、不名誉において。
-67-
ここにあるこの領域は、変化、変化、また変化だ。
変化を通じて変化を枯渇させる。
-68-
雌鳥がひよこの母となるように、
何かの知の母となり、何かの行ないの母となる――
真実の中で。
-69-
真理においては、束縛と自由は関連している。
だからこうした言葉はたんに、宇宙を恐れる者のためにある。
この宇宙は心の反映だ。
ひとつの太陽は水の中に多数の太陽として見える――
そのように束縛と解脱を見る。
-70-
自分の本質を光線と考える――
その光線は、中心から中心へと脊柱を上昇する。
そのようにして、自分の中の生気も上昇する。
-71-
あるいはその間で、それを稲妻として感じる。
-72-
宇宙を、半透明でとこしえの存在として感じる。
以下-73-から-83-まで
『
タントラ秘法の書
F光と闇の瞑想』
-73-
夏、空全体が果てしなく晴れ渡るとき、その晴れ渡りの中に入る。
-74-
シャクティよ。
全空間を、自分の頭の中に吸収されたものとしてみる――
光輝のうちに。
-75-
目覚めているとき、眠っているとき、夢見ているとき、
自分を光であると知る。
-76-
暗夜の雨の中、その暗黒に入る――
諸形態の中の形態として。
-77-
月のない雨の夜が存在しないとき、
目を閉じ自分の前の暗黒を見つける。
目を向け、暗黒を見る。
かくして過ちは永遠に消え去る。
-78-
注意が何かの上にとどまるとき、
まさにその瞬間、体験する。
-79-
火が体をずっと昇っていくのを注視する――
爪先から上に昇り、体を焼き尽くして灰にするまで……
あなたを除いて。
-80-
見せかけの世界が灰になることを瞑想する、
そして、人間以上のものとなれ。
-81-
主観において、文字が言葉へ、
そして言葉が文へと流れ込み、
また、客観において、円環が世界へ、
世界が原理へと流れ込むとき、
最後にそれが私たちの存在において
一点に集中することを見る。
-82-
感じてみる。
私の思考を、私性を、内側の諸機関を、我
(われ)
。
-83-
欲求以前、知ること以前に、
どうして私は「私は在る」と言えるだろう。
考察する、美の中に溶け去る。
以下-84-から-91-まで
『
タントラ秘法の書
G存在とひとつに』
-84-
体への同化を投げ捨て、
「私はあらゆるところにいる」と認識する。
あらゆるところにいる者は、喜び楽しむ。
-85-
何も考えないことが、制限された自己を無制限にする。
-86-
思惟してみる――知覚を超えたもの把握を超えたもの、
非存在を超えたものを、あなた。
-87-
私は存在している。
これは私のものだ、これこそこれだ。
おお、愛しき者よ、
そういうものの中で、はてしなく知れ。
-88-
知ることを通じて、個々の物は知覚される。
知ることを通じて、自己は空間の中に輝く。
ある存在物を、「知る者」と「知られるもの」として知覚する。
-89-
愛する者よ、今この瞬間、
心
(マインド)
も、知も、形態も、包含する。
-90-
両眼球に羽のように触れれば、
両眼の間の軽やかさがハートの中に開き、
そこから宇宙が広がる。
-91-
優しいデヴィよ、エーテル的存在の中に入れ――
それは汝の形態を大きく超えて上方に下方に広がっている。
以下-92-から-99-まで
『
タントラ秘法の書
H生の神秘』
-92-
心底を、表現不可能なほどに澄みわたらせ、
それを、ハートの上方、下方、そして中に置く。
-93-
体のどの部分でもいいから、限りなく広がったものとみなす。
-94-
感じてごらん――自分の実体や、骨や、肉や、血が、
宇宙的本質に浸されていることを。
-95-
創造性の精妙な質を感じてみる――
その創造性は、汝の乳房に浸透し、優美な形状をとっている。
-96-
木もなく、丘もなく、人もいない、
限りなく広々としたところに居住する。
それによって、マインドによる圧迫は終わりを迎える。
-97-
この空間を、自分の至福体と考える。
-98-
どんな姿勢でもいい、楽な姿勢で、
徐々に、両脇下の間の部分に広がっていく――
大いなる平安の中へ。
-99-
自分自身が遠近あらゆる方向に広がっていると感じてみる。
以下-100-から-112-まで
『
タントラ秘法の書
I空の哲学』
-100-
対象と主観の認識は、悟った者でも、悟っていない者でも同じだ。
しかし前者には偉大な点がひとつある。
それは、つねに主観的な姿勢の中にとどまり、
物事の中に失われないことだ。
-101-
全智、全能、遍在を、信じる。
-102-
精神を、自分の内と外に同時に想像する。
――宇宙全体が精神化するまで。
-103-
自分の全意識をもって、欲求の冒頭、「知ること」の冒頭において、知る。
-104-
シャクティよ、各々の知覚は限られており、全能の中に消失していく。
-105-
真理の中では、それぞれの姿形
(すがたかたち)
は分離していない。
遍在する存在とあなた自身の姿は分離していない。
各々のものは、この意識によってできている――それを認識する。
-106-
各人の意識を自分自身の意識として感じる。
そして、自己への関心を排除し、各々の存在となる。
-107-
この意識は各々の存在者として存在する。
ほかには何も存在しない。
-108-
この意識は各々の導きの魂だ。それになる。
-109-
自分の受動的な姿形を、皮膚の壁に囲まれた空虚な部屋と観る。
-110-
優美な者よ遊べ。
宇宙は空っぽの貝殻、その中であなたの心は無限に戯れる。
-111-
愛しき者よ、知ることと知らないこと、
在ることと無いことに、瞑想する。
次いで両方を排除すれば、あなたは在る。
-112-
支えなく、永遠で、静かな空間――その空間の中に入る。
好み:
この書は「好み」は関係なし。したがって、無印
(注:独断と偏見によるお薦め度、または記憶による感動度。一押し、二押し、三押し、特薦。)