今この地球を、内側と外側から、何やらかすかな雰囲気のように、OSHOというものが取り巻いているという。 それを地平線の彼方に輝く導きの星のように言う者もいれば、何やら不気味な終末の予告のように噂する者もある。 それは徐々に、地表のいたるところでその姿を現し始めているらしい。 ひとたびこれに触れれば、骨をも溶かされ二度と立ち上がれなくなる、と声を潜めて言う者もあれば、これに触れた瞬間、まるでそれが「生きる意味」そのものの発見ででもあったかのように、恍惚として全身をゆるめる者もあるという。 夜間に発進する宇宙の救助艇のように、最も意識的な人々の手によって地球上のいたる所で、そのOSHOなるものが音もなく離陸し始めているという。 それが何であるにせよ、このOSHOなるものの出現によって人類が二分されることだけは確かだ、と確信する者もあるという。 OSHOとは何か。何がこれほど人々を歓喜せしめ、何がこれほど人々を恐怖せしめるのか。 (p3-4) |